430「ガジュ丸の呑酒暦 長月(中百舌鳥編)」gajyumaru no donsyugoyomi(第九話 前篇)

9.15.sat/2018

「呑酒暦」とは、我輩ガジュ丸の「呑む、読む、観る」三大娯楽キリギリス的人生において、初訪問の呑み屋をめぐる、めくるめく(?)物語、かつその月の特異な出来事の記録であ〜る。
さて九月前半のお店は・・・(再訪率50%以上がOK店)

★「コート・ダジュール」ふたたび

外で呑む機会が重なってしまっての、金欠で迎えた9月。
早くも月初めの3日、8月の呑舟暦既報のカラオケルーム「コート・ダジュール中百舌鳥店」ランチタイム利用しての、「こっそり酒持ち込み宴会」が。またしてもフリータイム。午後2時すぎから夜の8時まで、も・・・かつ苦手な昼酒ゆえ出かける足が重かった。

けれども今回、8月の「墨丸同窓会」(421参照)参加者で、近辺在住の麦ちゃんも我ら4人に加わるということで少々慰め・・・られるはずが彼女、仕事の都合で急遽不参加に。

が、案ずるよりは生むが易し。
ホントにカラオケなしの、「酒持ち込み宴会」オンリーに。
退室前、M氏「じゃあ最後に三曲ほど歌ったろか」
ヒトリン「三曲だけやでッ」
反カラオケ主義者が一人増えていた。
次回はスーパー温泉に集うらしい。カラオケなくともまた苦手な昼酒だ・・・。

★立ち呑み、ふたたび

我輩楽しみなのは、続く酒呑みの時間、夜の部。だから昼間のこの前座に参加している。
この夜は駅前立ち呑み「おかわり」に、先月に続きM氏と訪れるも休業日。
仕方なく近辺でたった一軒看板灯る呑み屋、これも立ち呑みの「日々一献」へ。

立ち呑みなんてこの連載での、尼崎と地元KN市のソレしか知らなかったけれど、ここ「日々一献」でも「おかわり」同様、広々とした店内ほぼ満席かつカップル、女性客ひとりでも立って呑んでいる。酒の種類や肴も同じく豊富。これだと立ってるだけでふつうの居酒屋と変わらぬ。が、我ら満杯のカウンターでなく小さな丸テーブルだったゆえもたれかかることもできず、やはり立ち呑みは疲れる。総じての好みとしては「おかわり」(店名はナンだけど)かと。これはM氏も同意見。

再訪率:20%

★宝くじ

若い頃、阿倍野筋の辻占いに「あなたは大器晩成。トラブルを避けよう避けようとするけれどトラブルなしでは生きられぬタイプ。一つのことに没頭する学者のような仕事が向いている。伴侶となる人とは生き別れ死に別れ免れず、あなたの人生の脚を引っ張る女でもある。女難の相あり。ギャンブル運なし」と。

その後、墨丸お客さんの各種占い師の手相、タロット、顔相、四柱推命、姓名判断、霊感、星占いみる方々に同様のこと言われ続け・・・ホクホクした「女難」とはモテることではなく、リ・フジン、山椒太夫と呼ばれるようになった我が妻筆頭の「災難」のことと後年身をもって知ることになる。墨丸常連さんご存知のように、我輩病に倒れ自宅に連れ戻されぬままならばこれはまさに生き別れのままだった。
仕事の面では我が学習障害的な面かんがみると思い当たることも。
ただ、いまだ大器にはなれずして宝くじも当たらず長らく悶々としていたけれど、最近ふと気づいた・・・。

・・・幼少の頃、近所の丸山公設市場に使いに出されての年末ガラガラ抽選会。で、でっかい塩鮭まるごと一匹の特等当選。
20代では発刊記念の雑誌懸賞の「プレイボーイ日本版」と「野生時代」二誌同時の当選。社内でそのコト喋ってると日ごろ口きいたこともないギャンブル好きの同僚が、「馬券買え、馬券買え」と。が、占い信じてギャンブルには手を出さずの我輩、その馬券の買い方さえも知らなかった・・・。
墨丸閉店後の3年前から改めて住むようになったここKN市地元盆踊り大会では、今年も4等商品券ゲット。なんと3年連続の当選・・・と考えると、「ギャンブル運なし」は当たっていないのではないか。それに今月、松竹新喜劇70周年記念公演や平成紅梅亭の落語会にも当選。宝くじ当選も夢ではなくなってきて・・・。

★新型ジムニー

3日の「コート・ダジュール」参加前、時間つぶしに入った本屋で見かけた雑誌「モーターファン」の表紙。「おッ、コレこそ我輩欲する車!」との、初めて知った新型ジムニーそのデザインに、ホンダNワゴン/スラッシュ欲する夢消し飛んだ。
で、「コート・ダジュール」宴席で、「宝くじ当たったらコレ買うねんッ」と雑誌示すとヒトリン、「具体的な夢持たな当たれへんらしいで」

そういえば今まで漠然と、「借金全部返して・・・」云々とただ漠然と夢見ていたような。ゆえに今回「我はスズキのジムニーを手に入れるのだッ」と改めて具体的夢抱くようにして・・・その宝くじも、ときどきバラで千円分買っていたのを、百円くじを五百円分だけにし購入回数増やすようにもして・・・アホやけど、当たるとアホではなくなる。アホとは呼ばせない。

★新喜劇

で、その松竹新喜劇当選招待は、午後3時半からの一階一万円が四千円、3階席四千円が七百円となる次点当選。
幼少の頃よりドタバタ低レベルと思える吉本新喜劇より、藤山寛美の松竹人情喜劇の我輩ファン。
寛美さん、60歳で亡くなられて以降は松竹新喜劇テレビ放映もなくなっての久しぶりかつ映画館クローズしてから初訪問の懐かしの松竹座(ここで最後に観た映画は、小林正樹監督、仲代達矢主演の戦争大作「人間の條件」五部作一挙上映オールナイトだったか)。
もちろん我輩は安い三階席を選ぶ。
が、そこから見下ろす舞台の俳優は人差し指ほどの大きさ。俳優の顔など分かりゃしない。これで通常四千円なら二度と三階には座らぬだろう。身分不相応な一階、二階にも座れんけど・・・。

演目は懐かしの「人生双六」と「八人の幽霊」。見知った俳優は九十歳近い小島慶四郎ただお一人となっていた。御尊顔やはり遠すぎて判別つかず。が、七百円なら十分過ぎる価値ありの新喜劇。テレビ放映してほしい・・・。

★「KIMURAYA」

相も変わらず朝から何も食べていず、空腹に耐えかね場内で生まれて初めて自主的に「チップスター」買ってはみたけれど、こういうパサパサ感はやはり口には合わず。
で、夕食は懐かしの「はり重」でと思ったけれどもそこは満席。
南に下って左に入った、串焼き「KIMURAYA」に。

味覚喪失以来、串焼き食すのは二度目か。
少々味覚も戻りつつあるゆえ楽しみと、ハラミ、ノドナンコツなど五種と小ビール注文するも、やはり肉系の旨味わからず、食べ残して早々に退店・・・。

再訪率:ゼロ%

長くなったので、9月後半の話は次回に。

「長月 後半」へとつづく

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