457「夢か、まぼろしか?」(前編)

6.10.mon/2019

★5月22日(水)の白昼夢

最近、月イチでわが町K市に呑みに出てくる悪友M氏といつもの居酒屋で話し込んでいたときのこと・・・。
(電車一本でミナミの自宅に帰れる彼。電車バス乗り継いで隣町に帰る我輩。帰着はミナミに向かう彼のほうが山ん中への我輩より早いという、理不尽極まりない現実のもとでのお話)

我らの左側カウンター席には中年女性お二人。右にはカップル。共にわれらのあとから入店。で、いつものごとく満席に。
愛煙家にとっていまや酒呑む場も少々肩身が狭い。両脇の方々、非喫煙者のようで・・・タバコやめた傍らのM氏のことはいつものごとく無視だけど。
で、タバコ我慢のさなか耳に入ってきたのが右側女性の話の断片、「オオギガハマで」

「ン?」と彼らに顔向けるとすぐ右隣の男性、タバコ取り出していた・・・アホくさ。
「失礼ですが、扇ヶ浜って田辺の?」と声かけ振り向いたイケメン男性、「Sさん!」と我が名を(南紀田辺市はわが青春の地なのだ)。
「え?」どなたやったっけ?見覚えナシ、まったく。
「え〜、どちらさんでしたっけ?」と我輩。
「ボク、田辺工業高校出なんで扇ヶ浜の話を・・・」
田辺の工業?ますますわからん?
「ボクは田辺高校やったけど、歳はおいくつ?」
「40です」高校時代の接点まるでナシ。
「Sさんにこの店教えてもらって今夜来たんですよぉ」
どっかの呑み屋で知り合った?アタマおかしくなりそ〜。とっくにおかしいけど。アタマ、出血もしたし。

この不条理問答のしばし後、正体明かしてくれました。
わが病で(出血の。315参照)退院後お世話になってる市の支援センター担当者が代わるってことで、我が家にこの4月はじめ新任挨拶に来られたKさんだった。マジックの種明かし知ってしまった心持ち。同席の方は同僚女史とか。

彼はこの春、和歌山新宮から転職してのK市へ。独身、酒好きというので同県人のよしみもあり、このK市唯一の呑み屋らしい呑み屋、ここ「おばんざいの咲佑」(420参照)を来訪時の雑談で紹介していたのだった。
が、この夜、カジュアルな彼の服装、以前はかけていなかったメガネ顔、聞いてもいなかった田辺のことなどもあってまるで見知らぬ人と・・・でも同じ田辺で共に青春時代を過ごし、偶然K市片隅の酒場でお会いするとは!これが女性ならば運命的出会いというものかもしれぬではないか。が、「扇ヶ浜」がどうしたのか、聞き忘れてしまっていた・・・。

「夢か、まぼろしか?」つづく

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