469「変調:おきんたまさん」

10.01.tue/2019

★9月27日金曜日16時過ぎ

老医師との会話。
我輩「ほ、ほっとくとどうなるんです?」
医師「おっきくなるだけ。ボクら子供の頃はそんな人、おきんたまさんって呼んどった」

そして話はさかのぼり・・・こういうたぐいの話は避けてるんだけど、後述の件でもう羞恥心なんてマヒ。で、以下。

★9月20日金曜日11時過ぎ

その異変に気づいたのは7月中旬頃だったか。
「あれ、なんかオカシイ?」と、風呂場で体洗っていて気がついた。
そう、ボクのあそこのひとつが(男性器のKの頭文字つく、ふたつのうちのひとつ)、少し大きくなった?
でもたいして気にもせず・・・するとそれが、日毎にお〜きくなって・・・。

月イチで内服薬受け取りに通っている内科クリニックで20日、既報468「変調:エンシュア・H」での、エンシュア処方されたついでにそのこと聞いてみた。
「センセ、ボクのKが・・・なんか最近、大きくなって・・・」(この時点、羞恥心あっての近くにいる看護婦さん気にしつつ)。
センセ、驚いた様子もなく、いつものようにパソコン画面見ながら、「痛みは?」
「いえ、まったく」
「膝に水溜まるように水溜まってるんでしょ。心配なら専門医紹介しますけど」と、ボクのそれ診てみようともせずあっさりと(ま、見たくもないわな?)。
このセンセ、大丈夫かいな、ガンとかやったら訴訟問題になるんちゃうんと思いつつ、そのあまりの平然さに「じゃ、様子見てみます・・・」

★9月24日火曜日11時過ぎ

それがついに小さめのゴムボールほどの大きさに・・・でもあいもかわらず痛みなどもなし。もちろん、なんとなくの不快感、居心地の悪さ、そしての不安感もあり・・・。

この日、クルマで町に出る所用あり、内科医のいう専門医院が近くだったので寄ってみた。
泌尿器科なんて初めて。待合室にはけっこうな数の患者さん。こわもてのオッサンの患者なんて性病なのかしらんと思ったりもして・・・。

この日は近大講師という若いS医師が診察担当。
この日以外は名誉院長や副医院長、理事長さんらが交代で担当のようで、「こんな若いセンセで大丈夫かいな?」と(228「時計仕掛けのオレンジの悪夢」で、若い医師にはもう懲りごりゆえ)ベッドに寝かされた我輩、看護婦さん達いる前で下半身、露出。まな板の上の鯉とはこのことをいう(のか?)。

で、冒頭27日の「こういうたぐいの話は避けてるんだけど」の恥ずかしい気持ちがこの時点で吹っ飛んでしまった次第。ゆえにこんな話を恥ずかしげもなく披露するに至った・・・。

そのセンセ、我輩のKアチコチ触りながら(こんな仕事、我輩ならしたくもない。いくら頭脳優秀で医師になれたとしても。肛門科、耳鼻科、歯医者もイヤだ、そればかり目にしながら人生終えるなんて)、「水溜まってますねぇ」「ど、どうしたら?」「手術か、注射で水抜くか。どうします?もう少し様子見ます?」「様子見ますッ」

この日、バタバタと尿検査やら前立腺がん検査、エコー検査に血液検査と続き、手術とかの話に動転もし、会計の領収書に尿検査の結果表添付されてたのを気にもとめず・・・帰宅してからその検査表に改めて気づいた。

★そして冒頭の、9月27日金曜日16時過ぎ

その尿検査結果に異常あるやなしや?また我が症状この先どう対処すれば?など、これも動転し問い忘れてしまったこと多々ありでこの日、確認のため再訪問したわけ。
で、冒頭の老医師(この日は理事長という頼もしき肩書の方担当。が、80歳ほどのお年寄りでこれまた心配)との会話に至ったわけである。

で、老医師「見てみましょ」と、ふたたび我輩ベッドへ。
「ふ〜ん、大きいなぁ。前の先生何ていうてました?」「とりあえず様子みと・・・」「重たいし心地悪いでしょ?注射で水抜きましょ。わし、手術はあんまししとうないねん」「え、今日ッ?」「はぁ」「痛いんです?」「採血とおんなじようなもん」(ホ、ホンマかいな!あそこに注射やろ?男の急所やろ?こ、こんなはずでは予定では・・・なかったのに)。

別室にて横たわった我輩のその部分と尻の下に看護婦の手でペーパーが・・・しばらくしてやってきた老医師、懐中電灯で我がK照らし、「ほら、光が透けて見えるでしょ。水や。ガンやと影あるんやけどキレイなもんや」
注射器などもちろん直視できぬ恐怖感で天井見上げてた我輩、そういわれてちらっと我がK見ただけで、その後もず〜っと天井みつめ続けていた。
で、処置中なにやらブツブツつぶやく老医師に「なんか手違い?センセ、手震わせて注射針折ったりせんといてや、お願いやで」と念じつつの3〜4分間だったか、水抜き終了・・・。

センセ「ほら」と、見たこともないでっかい注射器かざし(ホラーやコメディ映画では見たけれど。コレ、事前に目にしてたら・・・死ぬ)、「100ccやね。200cc溜まっとった人もおったわ」とこともなげに。

「再発って?」
「たいがいするねぇ、癖みたいなもんや。そのときまた来て。水抜いたげるわ」
「もう来たくありません・・・」(笑われた)
看護婦さん「痛かったですか?」
「そ、そりゃ・・・気持的に」(笑われた)

我輩、K自体に注射だと恐れおののいていたわけだけれど、溜まるのはKの周りに、でした。
この症状「(右)陰嚢水腫」といい、その名の使い古した横判まであるほどで、男の誰しもが経験するような、病気でもなく珍しくもない予防不可の症状とか。だからコレをバカにしながらお読みの男性諸君、次は「あなたの番です!」
※本来は子供が罹る症状とか・・・。

予測していなかったこの日の出来事で、注射などない時代、大きくなりすぎたらどうしていたのかを聞き忘れてしまった。どうして水が溜まるのかは聞いたけれど、これも混乱して耳素通りだった。24日の各種検査結果はすべて問題なしだった。尿検査表の片隅に「正常」の判子押されてるのに気がつきもせず訪れていたのだった(おかげで水抜きできたようなもんだけど・・・)。

たんたんタヌキのドキンたま、風もないのにぶ〜らぶら。そ〜れを見ていた小ダヌキは、恥ずかしそう〜に前隠す〜。
(この俗謡、原曲は賛美歌なんだって。スゴイぞ、にっぽん!)

「変調:おきんたまさん」完

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