516「戒厳令の夜」

3.17.水/2021

★呑み会・・・

コロナ禍による再度の”戒厳令”で、呑み会が再び途絶え・・・。

最後のソレは1月4日の月曜日だったか(そんな前だと日にちに確信持てず)、大阪住吉のスナックビル4F「安くてすみません」という、一度聞いたら忘れられぬ名の店で。
ま、その店名通り、カラオケ&飲み放題三千円(ノンアルなら二千円)かつ次々と出される料理もありで、これはお得。奇しくもママさんは墨丸営業時代のお客さん。
今般自粛でこの夜は21時までの営業だったけれど、お誘いいただいたこの店の常連である墨丸会員女史のおかげで10時過ぎまで飲んでいたか。

が、今回の”戒厳令”で時短営業20時までとなり、さすがにか怖いもの知らずの連中からのお誘いパッタリ途切れてもう二ヶ月・・・一昨日、昨日、今日の出来事区別もつかず、矢のように飛び去るワンパターン生活下、これじゃあっという間に死期迎えるだけじゃんと狂いそうな我輩もう耐えきれず、3月7日の日曜日、久々の夜の街にさまよい出た(狂ったのだ・・・)。

★で・・・

バイト帰りゆえ、私鉄地下鉄乗り継いでの大阪我孫子の行きつけ飲み屋はちと遠い。
で、不定休ゆえ休みかもの、510で記した私鉄沿線北野田の飲み屋「御堂」を一応目指す。閉店ならば近辺何処ででも可の心持ち。
駅から街灯少なし夜道をトボトボ数分歩いたその先に、ほんのり明るい店先目にした瞬間、ああ、その新鮮な喜びは酒飲みにしか分からぬ心持ち。いや、人恋しさ解消への期待感か・・・。

先客は、前回2ヶ月あまり前にもお会いした、御堂さんから元デザイナーだと伺った御年七十過ぎのTさんお一人がカウンターで。
Tさんスマホ内蔵の、まさに職人技ともいうべきすべて女性主題の美麗イラスト作品集拝見しつつ、一人住まいのTさん宅には酒置いていず、御堂でも焼酎水割り二杯までと決めていると聞く。で、その律し方とお仕事から「Tさん、血液型Aでしょ?」と問うと、まさに「A」。こうして我輩の血液型判断は毎回当たるのだった。
ちなみに御堂さんもA型。O型我輩経営のかつての墨丸ではAとO型顧客が主流。で、我孫子店だけでもバツイチA型女性が三人いらして、我輩指摘通り別れたダンナは三人ともB型という、その相性悪さ指摘も当たっていた。長居店時代には、どうも感覚が我輩とずれている一部のB、AB型顧客が、近所に開店したAB型マスターの店に全員移ってくれホッとしたものだ。

そうこうしてると、新たなお客来店。
が、この店に似つかわしいかの、わけの分からぬこと喋り続ける酔っぱらい老人。我輩、その方に背中向けて無視。ご老人帰られたあとにもお客来店。このコロナ禍に、だ。

Tさん注文の肴はフライ物か。
パン粉まぶしてる御堂さんに「ナニ作ってます?」「カキフライ」
壁に貼られたたった5品ほどの短冊メニューにはそんな品書きはない・・・のに、お世辞でも清潔とは言い難いかのこの店でカキなんて大丈夫かいな?(失礼!)と思いつつ、キムチ、卵焼き、納豆などのありふれたメニューの中から我輩唯一食したいかの「一口カツ」注文。火を通すゆえ大丈夫だろう?
御堂さん「カツかぁ・・・」としばし思案し(大丈夫かいな?鮮度・・・)、「豚しかないけど、トンテキ?フライ?」「じゃ、フライで」(油通すゆえさらに大丈夫だろう?)。
で、出てきたそれはボリュームたっぷり、かつ「美味い」ではないか。

★Tさん帰られ・・・

Tさん、明日は認知症の検査日だからと(大丈夫かいな?)帰り支度し始めて、先ほど入店の背後の席のお客さん振り返ってみると、前回お会いしたゲイのキューちゃん、だった。背中越しに聞こえたお声が、先夜での「おネエ言葉」じゃなくって分からずで・・・。
「キューちゃん!」「スミちゃんだって思ってましたぁ」「今夜は遅いやん?」「遅番で。スミちゃん、今夜こそカラオケ行きましょ!」(510で記した12月28日に続いてのお誘い)。「カラオケ歌えへんねん」「おごりますから行きましょ!ここから歩いて1分ですから!」

★カラオケスナックにて

で、1月呑み会に続いて今年二回目の、日頃は行かぬスナック訪問となる。

そのスナック「マミー」は中年ママさんお一人の店。お客居ず。
墨丸営業時代なら、なんの「ウリ」もないようなこのような店には見向きもしなかっただろうに、会話と人に飢えていたのだろう、楽しい。

が、御堂でビール、燗酒、麦焼酎ロック飲み続け、我輩すでに酔っていた。
マミーでも飲み続けての終電間際、この楽しさよ永遠に、もっと呑んでいたいわと「キューちゃん、今晩泊めてくれ」「だめですよ〜」(彼一人住まいなら「危険」かもゆえ、いくら酔ってもこんな発言しなかったろう。が、彼は男性愛人と同棲中)。「御堂さん泊めてくれんかなぁ」「朝早くから仕事ですからだめですよ〜」(御堂さんは昼夜働いてらっしゃる・・・)。

19時から24時まで飲み続け、いま思い返すとマミーのママさんお顔も店内様子も、まるで覚えていず。が、我輩の飲み代キューちゃん受け取らずは覚えていて、うむ、日曜翌日から3日間はバイト休みゆえ、日曜は外呑みベスト日だと気づき、キューちゃんへのお返しに、日曜夜はまた北野田?

「戒厳令の夜」完

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