560「激夏のなかで @」(あるCMから)

07.27.水/2022

★あるCM

この夏、思わず見入ってしまったテレビCMがあった。CMなんかにだ。
「この夏」と記したけれど、日頃コマーシャルカット済み録画番組を観ているゆえ夏前から放送のCMかもしれない。
「見入ってしまった」というのは、懐かしきモノクロやカラー日本映画のワンシーンが目まぐるしく展開し、それらすべてが往年の映画俳優達が劇中の酒場で酒を飲むシーンだったからである。

酒好き、酒場好き、映画好きの我輩それ目にした瞬間、なぜか「サントリーの?」(CM)と思ったけれど(まさにそうであった)、あまりにもめまぐるしくかつ各シーンの懐かしさもあって「あっ、あっ」という間に終わってしまい、結局サントリーのなんの商品紹介だったのか不明のまま・・・。
もう一度みてみたい、録画したいとまで思ったCMなんて初めての、この夏の新鮮な経験(なんの商品かはどうでもいいけど)。

★駄酒

1990年代頃までだったか、スナックやラウンジのボトルはウイスキーやブランデーが主流。それもサントリー製品の。ニッカ製品は片隅に追いやられていた時代だ。つづくワイン、焼酎ブームなんて想像もしなかった時代でもある。

その頃サントリー主流のボトル、ダルマことサントリーオールド、トリスを飲んでハワイへ行こうのトリスウイスキーなど、飲んでる最中の嘔吐とひどい二日酔いが必ず待ち受けていたものだ。安価なホワイトはなぜか飲めたけれどもトリスを飲むほどには落ちぶれずにすんだのは幸いだった。
けれども今は宝焼酎の4Lペットボトル(原料サトウキビ)を渋々飲んでいる。これは病の後遺症の味覚障害の恩恵でもある。安酒でも飲めるようになったという点で。

前項で「なんの商品かはどうでもいい」と記したけれど、思えばウィスキーの味などしなかったそんな「駄酒」になけなしの金をつぎ込まされた恨みあるゆえ。
その後、梅田に「バーボンハウス」(という名だったか?)という大規模店がオープン。そこで初めて米国産の「フォア・ローゼズ」口にし、「おお、これぞウイスキー!」と感激しての「駄酒」脱却。

一口で「まずい」と呆れた生ビールもサントリーの「モルツ」だった。
けれどビールには他銘柄の瓶ビールという選択肢があった。モルツのみ常備の店には二度と行かなかった。
で、酒に関しての物心がついてからは、個人的にはサントリー製品は缶コーヒーふくめ一切買わず。サントリー宣伝の一翼を担った芥川賞作家で’美食家’という開高健の著作にさえいまだに拒否反応・・・。
(コカ・コーラよりペプシ派の我輩、先日ペプシ飲んでる最中にラベル見て気づいた。発売元がサントリーだった・・・ショック)。

★洗脳

サントリーは前述のテレビCMのように宣伝上手なのは間違いない。
でも前述のCMも映画の版権のことを思うと結構な制作費なんではと思う。
毎日のように新聞に折り込まれる’上質紙’のサントリーサプリメント広告チラシなど、まるで洗脳教育用材のようにも思えてきて・・・。それら宣伝費も商品価格に反映されているかと思うとバカバカしい。

洗脳といえば30代の頃は朝日新聞を購読していて洗脳されそうになった。
日本って恥ずべき国なんだと。東條英機さんら戦犯ふくむ日本軍人らへの批判一辺倒の記事で彼らへの反感も朝日で培われてしまっていた。いまはその反感、幾分是正されたけど・・・。

最近での最たるものが、安倍元総理が殺害された直後の「朝日川柳」だ。
図書館の新聞で知ったが、「疑惑あった人が国葬そんな国」「忖度はどこまで続くあの世まで」「死してなお税金使った野辺送り」「’国葬’あれもこれも葬る場」など8句全てがこの事件や国を揶揄する内容というのは、SNSの嫌らしい誹謗中傷と変わらぬではないか。中国でのネット上であふれる安倍さん死去を「祝う」投稿と同じではないかと、死者を鞭打つ選者の西木空人及び投稿者らの良識を疑ってしまった。中国人が「朝日は中国系の新聞か?」といった話もさもありなんだ。

別の「洗脳」話だけど、韓国在住の産経新聞記者黒田勝弘さんが「なるほど」の記事をこの夏に掲載し、日頃の疑問多少解消。
「反日・嫌韓と韓国ブーム」と題したその記事で、世の日本女性が韓国ドラマやKポップに無批判で熱中するその姿にある種おぞましさを感じていた(韓国ドラマファンの我が妻リ・フジン含む)我輩、文中の外語大の韓国語学科先生いわくの「最近の韓国語志願者の多くは新聞やテレビを見ない世代なので、いわゆる’反日・嫌韓’など一方の日韓関係とは無縁」との話に、黒田さんは「韓国側では反日系はもちろん、日本好きや’隠れ親日派’でも世代を問わず日韓関係にかかわる歴史や現状をよく知っていて、いざとなれば彼らなりに自己主張する」とのこと。
韓国における日頃の教育やメディア情報の結果ゆえというが、日本の女性が単細胞というのは情けない(我が妻リ・フジン含む)・・・。

★サプリ

で、酒場墨丸営業時代に聞いたお話。
常連の某医科大学M先生が医学関係の会合の際、サントリーに就職した出席者が他の出席者に自社製品のサプリを勧めているのを白眼視した話とか「サプリメントなんかに金使うよりその金で美味しいものを食べたほうがよっぽど体に良い」というようなことを話されていて、以後我輩はその種の広告宣伝物は無視している。

が、2015年夏に病に倒れた我輩、後遺症の味覚障害と空腹感の欠如で極端に食が細くなり、健康補助にとビタミン剤なら害もなかろうとマルチビタミンを服用していて・・・先ごろ産経新聞連載「健康cafe」のコラム「サプリはよく考えて」を目にして、あ然。

「人が健康に留意し始めると国は衰退する。英国然り」という話をむかし聞いたことあるけれど、「24時間戦えますか」世代の、サプリなんてのもなく、禁煙!と喚き散らすヤカラもいなかった我らのその時代に比べ、コラムによると没落気味の我が日本でも中高年の女性の3人に1人、男性の4人に1人が健康に不安を感じて何かしらのサプリを摂取しているという。

米国予防医学作業部会ではサプリの功罪を公表していて、それによるとベータカロテンとビタミンEは肺がんや脳出血などの危険性を高める可能性など、妊婦や菜食主義者をのぞいてマルチビタミンやミネラルはほとんど役に立たないばかりか、ものによっては逆効果であるとのこと。
以前、サプリのカプセルが問題の多い中国産という点が指摘されたことを覚えていた我輩、国内製造品を選んでのマルチビタミンだったのに・・・。

でコラム最後にはM先生同様、筆者のしもじま内科クリニック院長先生いわく「いろいろなものをおいしく食べて過ごすようにしましょう」
はい、そうするように努めます・・・。

★広告

先のサプリ記事で気になることがあった。
そのコラムが紙面上段掲載に対し、同じ紙面の下段四分の一を占める広告がなんと、「記憶対策サプリ」
コラム掲載後、サプリ発売元からクレームなかったのかしらんと、我が健康のことより少々心配に・・・。

随分前のことだけど関連して、新聞に折り込まれるタウン誌にも常々気になる広告があった。
ある日、そのタウン誌の懸賞応募の一要件に「誌面への感想」があり、その気になる点記入して応募(このときだったか、何かしらが当選した覚えがある)。

その気になった点というのは・・・誌面下半分が地域のお店の広告枠で数店舗分が毎回掲載されている。
そこにとある薬局広告の「爪水虫」のカラー写真とその対処薬の広告枠。
で、そのすぐ横にとある喫茶店のランチ紹介枠が毎回掲載されていた。
水虫の汚らしい写真と、本来おいしそうなはずのランチ写真。
タウン誌のその欄みるたびに食欲なくすのは我輩だけ?と常々思っていて、その編集はいかがなものかと記して投稿。
後日、是正されてはいたけれど、我輩その喫茶店利用したならば、あの「爪水虫」写真思い出してしまってランチは注文できないだろうなぁ・・・喫茶店オーナーはなんとも思わなかったのかしらん?

★あの器具も

とある健康器具のおかしな新聞広告がある。現在進行系の。
で、病気の後遺症で足も少々悪い我輩、行きつけの医院の先生(整形外科医でもある)に聞いてみた。
「あれって効果のほどは?」
先生「ありません」

「おかしな」というのはその効能のことでなく、月に何度か新聞全面掲載されるその商品広告が、毎回「本日から3日間限り○○○○円引き!」とあるのだ。○の数字が4つだから、割り引かれても万単位のその筋電気刺激トレーニング機器が、毎回「本日限り」って?

サントリーサプリ広告含めこの機器愛用者として常に登場の冒険家・プロスキーヤー三浦雄一郎さんには罪はないだろうけど(我輩が購入して「効果ナシ」と気づいたらサントリーの開高健と同様だけど)、これら商品に対する米国予防医学作業部会の日本版を開設してほしいと願うのは我輩だけだろうか?

「激夏のなかで」つづく

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