564「初秋、中秋、そしての晩秋 @」(曖昧な記憶:前編)

09.26.月/2022

★夢?現実?

このごろ三箇所の風景が思い浮かぶ。
けれどもその場所が不確かなのだ。
で、睡眠中の夢をよくみる我輩、その風景は夢だったのか現実だったのかと・・・。

一箇所は、大阪住吉区我孫子界隈。
墨丸4号店時代に店から通っていた銭湯二軒のうち、我孫子筋を横切る少し遠方のそこへ向かう際、いつものルートに飽きて遠回りしてみたことがあった。もう10年以上前のことだ。
そのとき出くわしたのがその場所。
デジャヴというんだろうか、初めての場所なのにとても懐かしい想いにとらわれた。
二階建て住宅が広い野原を取り囲むようにL字型に立ち並んでいるだけなのに、その風景が呼び起こしてくれる懐かしさ求め、二、三度遠回りしてその銭湯に向かったか。
が、その場所が正確にはどこだったのか、いま思い出せない。
地下鉄あびこ駅付近という立地なのにそんな空き地が残っているものだろうかとも思い、おのれの記憶を疑い始めている・・・。

二箇所目は、地下鉄御堂筋線の堺・北花田駅東側付近。
住吉我孫子の墨丸4号店から自転車かバイクでその周辺に仕入れに出かけた、その帰りのことだと思う。
何を思ったのか帰途と反対側の住宅街の間を南に入った。
するとその先に、「え、こんなところに?」と、かつて十数年居住した町でもあったのに、そこには思いがけなくも広い池があったのだ。
その池の畔に佇んだだけで周囲をめぐることもなく立ち去った覚えあるものの、その池の場所がどこだったのか思い出せない・・・。

三箇所目は、我輩の住むK市の、たぶん急行停車駅裏。
我孫子の墨丸閉店後のことだからここ数年の間のことだ。
その駅裏を散策しているさなか「こんなところがあったんだ」との、線路沿いに立ち並んだ白っぽい外観の、間口1間半ほどの古びた人気のない数軒の平屋群。
こんなに線路が間近だと電車の音がうるさいだろうな、店舗跡かな、ここで墨丸復興したならば・・・などと思ったことを覚えている。
が、その場所に至る、またその場所をあとにしたルートが思い出せないのだ。
だから先日、電車を利用した際に車窓からその場所を見つけようと、その急行停車駅前後から我輩が下車する次の駅までの数分間、目を凝らしてその場所を見つけようとしてみたけれども、不明・・・ということは「これは夢の中でのこと」の公算大なのだろうか?

などと三箇所の風景のことをこうして記したのは、この9月のとある日、記憶の不確かさということを思い知らされた出来事があったからで・・・。

「初秋、中秋、そしての晩秋」後編につづく

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