568「初秋、中秋、そしての晩秋 C」(「うん うん」と「え〜っ!」)

10.31.月/2022

★木曜の夕暮れ時

午後6時すぎ、過酷な肉体労働のバイト終えクルマに乗り込む。
サラリーマン時代のように「あ〜、終わった」とか「あ〜、しんど」などとのため息も出ない。
なぜか、ただただ「虚無」である。
疲れ切ってるゆえなのか、単純作業ゆえロボットと化したか・・・。

先日、派遣元から送られてきた雇用契約更新書類項目に来年6月契約解除とあった。
で、問い合わせてみた。
と、来年が現場の入札期限というのだ。
派遣元が異なる別部所の元刑事の先輩いわく「また入札されるで、毎年一社だけの応募なんやから」
元市役所職員の先輩は「コロナで不景気やから次回は入札殺到やろな。私らの仕事に移ったらええねん」
が、いまさら先輩らのように日々8時間労働なんてしたくもない(我輩は現在週3日、一日3時間半労働。自営当時は長時間労働なんて苦じゃなかったけれど)。

我輩のバイト勤務4年近くで同部所の同僚3人が次々と短期間で仕事を辞めた。
(来年3月には先の先輩お二人も契約期限切れで退職。我輩、職場ではただ一人の正職員の館長在籍をも越える最古参となる)。
我輩の部門は結構きつい仕事なのだ。
二名でのシフト制で相方とは顔を合わせることもない。
現在の相方の男は仕事の手を抜く人で、こういう人は結構辞めないものだ。手を抜こうと思えば抜ける仕事でもあるんだから(監督すべき我ら雇用先の担当者は当現場をバイトに任せっきりで顔も見せない。いい加減な会社だ)。
ま、どちらにしても入札に通らねば中古の軽四買って生協の短時間の宅配仕事か(社会とつながってはいたいし、休日のありがたみをも感じ取れるし)、もしくは自己トレーニング(現バイトもリハビリ目的が主ゆえ)と読書三昧の新たな日々を送ろうと考えている・・・先日、当たった図書カードで同年代の女史著作「年金5万円、あるもので工夫する楽しい節約生活」って新刊本も買ったし。

話がそれてしまった。
クルマに乗り込み、タバコに火をつける。
職場は禁煙ゆえのようやくの一服だ。
かつて今の職場のトイレでタバコ吸う現場を二度も発見されクビになったバイトのオバはんがいたそうだ。こうなるともう薬中だな。
そしてエンジンをかけ駐車場を出る。
カーラジオのスイッチ・オン。
ラジオから流れ出たのはラジオ大阪の「hanasikaの時間」
最近知ったがこのトーク番組、月曜から木曜日の放送で、落語家と相方の女性が毎回変わるってこと。
我輩の出勤日が平日は木曜のみゆえそのことに気づかなかった。

で、放送チャンネルを切り替える。
というのも、この木曜の相方女性は寄せ三味線の第一人者と評される方。
が、疲れ切った我が身にとって、彼女の甲高い声がよけい疲れを増幅させるようで・・・。
そういえば、テレビ番組のコメンテーターとして出演の若き女性タレントらの大口あけて笑う姿もまさにバカ笑いのようで、いくら美人でも美人とは思えなくなる昨今・・・慎み深さって死語なんか?

そんな「hanasikaの時間」が産経新聞にも連載されている。
落語家各々担当のコラム欄だが興味惹かぬゆえ読み飛ばしていたのだけれど、10月15日の笑福亭鉄瓶さんの話には思わず「うんうん」
題して「電車内のフリとオチ」、その一節にこうあった。

地下鉄で電車に乗ろうとホームで待っていた。
電車が到着しドアが開く。
ほぼ満員で降りる人が「すいません。降ります」と声を出した。
ドア付近の中学生数名がいったん降りた。
が、ドア前の中年女性二人は動こうともしない。
「気づかんか?」と思いながら私は電車に乗り、その女性の横に立った。
するとこの二人の会話が耳に入ってきた。
「もう○○さん、シフトのことは口出しせんとこ。今の若い子には何言うてもあかんって」

おるなぁ、ええ年してのこんな人ら。旦那の顔みてみたいタイプ・・・で、「うんうん」。このオバはん、産経購読しててこの記事読んだらおもろいのに。
(むかしこの欄で記した、銭湯の湯船の湯でうがいする中年男、これも女房の顔見てみてみたかった)。

★知らずで「え〜っ!」

サプリメントについての新聞記事にショックを受けたのはこの夏のこと(560「激夏のなかで」参照)。それと同様なことがこの秋にも。

病気の後遺症での味覚と空腹感喪失により、一時期はタンパク質補給のための豆腐と酒だけの一日一食という生活だった(で、いまそのツケが回ってきての体の変調か)。いくぶん食欲回復の昨今も酒の肴に豆腐は常に用意しているのだけれど・・・。
10月の新聞折り込みタウン誌掲載の食農講座79回は「食の安全について考えよう!豆腐の選び方」で、これまた教えられた。
いわく・・・

本来の豆腐は、煮た大豆の絞り汁である豆乳に天然のにがり(海水から食塩を除いた液体)を混ぜて作る。
一方市販の豆腐は、添加物の凝固剤や消泡剤使用。
なかでも乳化にがりは、にがりを乳化剤や油脂で包んだもので、界面活性作用がある。
これは日常的に摂取すると腸粘膜のバリアに悪影響を及ぼす可能性がある。
消泡剤を消す作用のシリコーン樹脂は、表示義務のない加工助剤で塗料やワックス、シャンプーに使用されている。微量ながら豆腐から検出されていてできれば摂取したくない成分。特に乳幼児には、乳化にがり不使用、消泡剤不使用と表示している豆腐を選びたい・・・云々。

消泡剤を消す云々の記述はようわからんが、要するに乳化にがりや消泡剤使用の豆腐には要注意なんだと。で、我が家の冷蔵庫に走った・・・消泡剤使用品だった。

※後日、豆腐購入の際にチェック。と、同じ会社の商品なのに「使用」と「使用せず」があった。「せず」商品にはラベルの隅に小さく「消泡剤は使用しておりません」と。「使用」と「使用せず」商品二通り作る意味は?ちなみに価格はたいして変わらず。

「うんうん と え〜っ!」完

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