573「玄冬、生きのびれるかキリギリス男 @」(懐かしの「木村功」)

12.07.水/2022

★トミちゃんからの着信

墨丸長居店時代の常連、通称トミちゃんから携帯電話の着信あり。
おお、久しぶりではないかぁ!と話に耳を傾けると・・・。

なんと、今年6月に職場で脳出血で倒れ、緊急入院していたとのこと。
我輩と同様ではないか、我輩より10歳ほども若いというのに!
で、後遺症あるものの酒は呑めると聞き、12月5日月曜会うことに・・・。

再会場所は、大阪住吉・我孫子南商店街の、これもご無沙汰の居酒屋「こちぶ」にて夕刻の5時。オープン時の待ち合わせで正解。このご時世なのに、たちまち満席となったゆえ。
その要因は、安心明瞭な価格設定、日々変わる肴メニューかつ一人で切り盛りの若き女将さんの人柄によるものであろう。
またこの店でよくあることながら、コレまた隣席の男性「長居時代の墨丸に通ってましたよ」
コレまた毎回のように失礼ながら「お顔」、我輩覚えていず。
これは男女問わずで、当時、親しく会話していずかものせいか?

で、障害残っていると言いながらも我輩と同様見た目変わらずのトミちゃんの話によると、主に左半身マヒの我輩に対し、右半身の不自由さが顕著という。右側だ。コレは不便だ。
が、呑むしぐさにもそんな不自由さ見受けられず。
ソレに対し云うには、その「こわばり」やわらげるため筋弛緩剤服用中とか。
我輩知らぬそんな殺人事件で耳にするクスリ使用せねばならぬほどなのに、我輩「要支援認定」最低ランクに位置づけされているに対しなんの認定も受けられずにいるとのこと。ま、受けてのメリットなんてよう分からんほどの我輩のそれは認定だけども・・・。

我輩と異なるのは、独身ながらも日々三食きっちり摂り(既婚者の我輩ほぼ一食)、来春の社会復帰に向けてのウオーキングふくめ自己リハビリ欠かさず(我輩は、先行き考えずの週3日、一日3時間半の肉体労働パートのリハビリ)の生活を送っているということ。
で我輩「トミちゃんって、血液型Aやった?」
その生真面目な生き方、やはりAタイプであった。
「アリとキリギリス」のアリさんタイプだった・・・。
「墨丸を、立ち呑み屋でもいいから再興してくれ」の言葉が嬉しかった・・・。

こうして会話が弾み、9時頃までに二人で麦焼酎ハーフボトル、ほぼ呑んでしまったか。
ゆえにそんな早い時間に「お開き」なんてしたことのない我輩なのに久方ぶりに酔っ払ってしまい、再度会って呑み直そうと約束し帰途につく。

トミちゃんは、元海上自衛官。
長い航海から帰港すると、日本の総理大臣代わっているのを初めて知り「こんな生活まともじゃない」と退職したとかつて聞いた。
そのとき我輩「ラジオニュースなんか聞かんの?」
トミちゃん「自衛艦って鉄で出来てんねんでッ、まるごと。電波なんか届くかいな、遮断やでッ」ってな話を覚えている。

そんなトミちゃんは、俳優の木村功に似ている。
「あのッ、黒澤明’七人の侍’のッ、若サムライ役のッ」と教えれどトミちゃんピンとこず。
だったけれど、木村功は我輩の若い頃の父に似ていて好きな俳優だったのだ。
晩年のその父は「西村晃」と思ったものだけど・・・だからかトミちゃんには特に親しみを感じてしまう・・・。
トミちゃん、この玄冬、生きのびろよ。いや毎年、これからもずっと。そして呑み続けよう!

※冬をイメージする綺麗な単語が「玄冬(げんとう)」
他の季節は春が「青春」夏が「朱夏」秋が「白秋」と表されます。

「玄冬、生きのびれるかキリギリス男」つづく

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