604「今夜の本!」(附録;映画と名/迷/言)(4/2025)

5.27.火./2025

ガジュ丸評価基準
5「必読の傑作!」 4「一読の価値ありの秀作」 3.5「損なしかも?の佳作」3「プラマイゼロ」 2「不満!」 1「駄作?」

NF=ノンフィクション類 ※=再読 ?=ようワカラン ×=断念作 ガジュ丸賞=月間トップ作
注:映画評価も以上に準じます

[今夜の本!] 

1.「奇譚草子」夢枕獏/講談社文庫/2.0
2.「ハンティング・タイム」ジェフリー・ディーヴァー/文藝春秋/4.0
3.「はるか」宿野かほる/新潮文庫/3.5
4.「湖の女たち」吉田修一/新潮文庫/3.0
5.「ミレニアム・レター」短編6作/山田宗樹/文春文庫/3.5
6.「怪談」短編6作/柳 広司/講談社文庫/2.0
7.「関西怪談」NF/短編58作/田辺青蛙/竹書房怪談文庫/3.5                                                                                                                

『どんでん返しの魔術師ディーヴァー史上最多、20個以上のどんでん返しを仕掛けた傑作。’最後の大逆転にやられる確率100%’(フィナンシャル・タイムズ)』との「ハンティング・タイム」。

妻への傷害事件で投獄されていた夫が仮出所。彼の殺意を察知した母娘の逃避行が描かれる。彼女らを追うのは元敏腕刑事のその夫、夫と関係の深い犯罪組織の二人の殺し屋、妻の上司から依頼され母娘を守るべく動く主人公。その三組の追跡劇だ。
売り文句通り、冒頭から意外な展開続発の本書。なぁんだけど、惜しむらくは我が読書環境。夕刻からの飲酒伴う録画作品鑑賞が深夜まで。呑み疲れ、観疲れ果ててのベッドに横たわっての睡魔と戦いつつ数ページ単位の読書ってのが大いに悪影響。そのどんでん返し、もう一度しっかり確認したしの、悪影響なしならば評価4.0以上の二段組み500ページの大作!

で、上記が大作すぎて月末までに読み切れるかしらんと危惧していたにもかかわらず、精神的不調で4月26日の午後から食事もとらずベッドのなか、怒涛の如くの読書(思えばかつて入院中もそうだった)。午前2時半までのぶっとおし12時間読書で、月末までに上記の作品群読了できた次第。

が、その読書中、何度かのうたた寝数分間のせいか、吉田修一「湖の女たち」の内容、まるで思い出せず。が、幸運にもその映画化作品を録画していた。観る。うむうむ、思い出したぞ、展開。が、その映画作品は何なんだ。かったるく、かつ変態的性愛シーンが目立つのみ。監督は?脚本は?と早送りしつつラストまで観ていくと、監督・脚本ともに好きでない、大森立嗣だった…(勘違い。立嗣じゃなくって、好みじゃないのは大森一樹監督作品でした。が…です)。

で、4月のガジュ丸賞は、ディーヴァー「ハンティング・タイム」なんだけど、日本ホラー小説大賞受賞の女流作家、大阪在住の田辺青蛙さんの「関西怪談」も見逃せない。彼女が収集した関西各地の怪談実話を、なんと58話も紹介してくれているのだ。すごい。

[今夜の名/迷/言!]

「ため息は上を向いて吐きな。深呼吸にかわるから」

(TVドラマシリーズ「東京サラダボール」より。在留外国人の犯罪を取り締まる課所属の、髪を奇抜な緑色に染めた女刑事(菜緒)と中国語通訳士の元刑事(松田龍平。無表情な顔つきが気になる方)が関わる数々の事案を描き見ごたえある作品。評価4.0)

「離婚原因の第一位は何か知っとるか?」
「…」
「結婚だ」

「コルレオーネ村までもあと少しだ」
「何マイル?」
「さぁ、キロで書かれている」

(TVドラマシリーズ「ゴッドファーザーに賭けた男」より。名作「ゴットファザー」完成に至るまでの業界ウラ話満載。アルパチーノは軟弱すぎると出演に反対されていたとか、本作の大物プロデューサーの愛人アリ マッグローが「ゲッタウェイ」共演のスティーブ マックイーンと浮気していた等々初めて知ること多しの、映画「ゴットファザー」をもう一度観たくなること必至の秀作。評価4.0)

「仏教徒は転生を信じている。現生の行いで未来が決まるんだ」
「そこが分からないんだよ。カタツムリはどんな努力をすりゃいい?まっすぐ這うとか?」
(映画「最高の人生の見つけ方」より)

「父がいつも言ってた。ひとつの怒りでひとつ老い、ひとつの笑顔で若返る。分かる?若くありたいなら何をすべきか」
(映画「パリ タクシー」より)

「一日が終わり、家路へと急ぐ人々。ただ、何かをやり残したような気がして、寄り道したい夜もある」
(TVドラマシリーズ「深夜食堂」より。我輩、毎夜、毎晩…)

花咲いて 思い出す人 皆 遠し
(正岡子規)

明日ありと思う心の仇桜 夜半(よわ)に嵐の吹かぬものかわ
(親鸞聖人)

「興奮サメやらぬ」
「ジョーズやね」
(沖縄の安里川でサメ発見の「なんだコレ!ミステリー」より。相方の発言に「上手」をかけての言い返し)

※特筆すべき映画作品ナシゆえ、映画評はおやすみです。

「今夜の本!」(附録;映画と名/迷/言)(4/2025)完

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