5.17.tue./2016
★入院中は活字漬け(クスリ漬けでもあったけど)
本好きの我輩、入院中はある意味幸せだと・・・リハビリ時間外は我輩の場合、本を読むしかすることがないわけで(前回述べたように自主的リハビリはサボりまくるし)
本好きでない同室者の方々はヒマ持て余し(で、スキ見せればしょっちゅう話しかけられるのが苦痛。それも同室者のうちお二人は我輩よりお若くボケてるわけでもないだろうに「その話、さっきも聞いた!」と叫びだしたくなるほどで)
※昔はイヤだった我輩の近視も今やある意味幸せ。同室者の皆さん老眼で満足に新聞も読めない様子。その点、近視のおかげか今のところ不便ナシ。
自宅から不定期に持ち込まれる本読みつくすと談話室図書コーナー本手当たり次第に読破。1〜2日に一冊くらいの割合で読んだか。二ヶ月あまりの入院でざっと百冊?
その感想評価メモも前回記したように紛失ゆえ、自宅本分の評価だけ今回「番外編」として一挙公開。
(5段階評価順。当初の記憶障害のせいか内容全く覚えていない作品は?表示)
「高野山黄金伝説」(清水義範/双葉文庫)1/5
「虹色ほたる」(川口雅幸/アルファポリス文庫)1/5
「黒い森」(折原一/祥伝社文庫)2/5
「グロテスク」(桐野夏生/文春文庫)2/5
※「グロテスク」は、東電のキャリアウーマンが夜な夜な売春続けての97年、売春相手に殺害されるという実際の事件がモデル。一体彼女はどのような人物でその心理は?でも実像には達していない感と共に、上巻は投げ出したくなるほど退屈。
後出のノンフィクション「東電OL殺人事件」」。これは犯人のネパール人の冤罪証明がメインとなっている。が、今でも謎とされている彼女についての描写は興味津々な内容(野次馬根性)
「生き屏風」(田辺青蛙/角川ホラー文庫)3/5 [ホラー小説大賞]
「火花」(又吉直樹/文藝春秋)3/5 [芥川賞]
「百年法」(山田宗樹/角川文庫)3/5 [日本推理作家協会賞]
「Dブリッジ・テープ」(沙藤一樹/角川ホラー文庫)3/5 [ホラー小説大賞]
「蝿の王国 軍医たちの黙示録」(帚木蓬生/新潮文庫)3/5 [日本医療小説大賞]
「停電の夜に」(ジュンパ・ラリヒ/新潮クレスト・ブックス」)3/5 [ピュリツァー賞]
「命売ります」(三島由紀夫/ちくま文庫)3/5
「ここで死神から残念なお知らせです」(榎田ユウリ/新潮文庫)3/5
「陽炎の辻 居眠り磐音 江戸双紙」(佐伯泰英/双葉文庫)3/5
「山の霊異記 赤いヤッケの男」(安曇潤平/MF文庫)3/5
「境遇」(湊かなえ/双葉文庫)3/5
「偽りの楽園」(トム・ロブ・スミス/新潮文庫)3/5
「石の猿」(ジェフリー・ディーヴァー/文春文庫)3/5
※ベストセラー作家佐伯泰英さんの居眠り磐音シリーズ第1作の「陽炎の辻」は、「全巻読破!」と豪語する実弟に半ば無理やり読まされた作品。ベルトコンベヤー作品との思い込みのせいか、スラスラ読めるいわば水戸黄門的テレビ時代劇風なのに反発覚え、熱狂する心理がわからぬ。各受賞作品が低評価なのは「好み」の問題だけなのか。
「台所のオーケストラ」(高峰秀子/新潮文庫)3.5/5
「時に架ける橋」(ロバート・チャールズ・ウイルソン/創元SF文庫)3.5/5
「夜の床屋」(沢村浩輔/創元推理文庫)3.5/5
「トム・ゴードンに恋した少女」(スティーブン・キング/新潮文庫)3.5/5
「会いたかった人」(小池真理子/祥伝社文庫)3.5/5
※ファンだった女優高峰さんの料理レシピ&エッセー集「台所のオーケストラ」。手にとった時点で墨丸閉店が決まっていたにもかかわらず、墨丸フードメニューに加えようと対象ページ折ってしまう悲しい性。
ここで久しぶり(本書より抜粋の)「今夜の名言!」を以下に。
「ホーム・スイートホーム」これはまさしく独身者のつくった文句にちがいない」 バトラー(英国の作家)
※「トム・ゴードン」と「会いたかった人」は、当初気づかなかったけれど再読だった。
「居酒屋志願」(内海隆一郎/小学館文庫)4/5
「太閤暗殺」(岡田秀文/双葉文庫)4/5 [日本ミステリー文学大賞新人賞]
「1985年の奇跡」(五十嵐貴/久双葉文庫)4/5
「どれくらいの愛情」(白石一文/文春文庫)4/5
「霧笛荘夜話」(浅田次郎/角川文庫)4/5
「アンダー・ドーム」(スティーブン・キング/文春文庫)4/5
「魂萌え」(桐野夏生/新潮文庫)4/5
「光」(道尾秀介/光文社文庫)4/5
「光媒の花」(道尾秀介/集英社文庫)4/5
「オレたち花のバブル組」(池井戸潤/文春文庫)4/5
「オレたち花のバブル入行組」池井戸潤/文春文庫)4/5
「不祥事」(池井戸潤/講談社文庫)4/5
以下ノンフィクション
「ワケありな映画」(沢辺有司/彩図社)4/5
「東電OL殺人事件」(佐野眞一/新潮文庫)4/5
「本能寺の変 431年目の真実」(明智憲三郎/文芸社文庫)4/5
「熊撃ち」(久保俊治/小学館文庫)4/5
「ノモンハンの夏」(半藤一利/文春文庫)4/5 [山本七平賞]
「投降 比島血戦とハワイ収容所」(小島清文/光人社NF文庫)4/5
「あの戦争から遠く離れて」(城戸久枝/文春文庫)4/5 [大宅壮一ノンフィクション賞]
「オバマ大統領は黒人か 変見自在」(高山正之/新潮文庫)4/5
※「熊撃ち」は日本で唯一の熊ハンター(熊撃ちのみで生計)の日々を描いたノンフィクション。前出「赤いヤッケの男」は山中での怪談実話集だが何十篇も読んでると怖さも薄れ食傷気味に。でも「熊撃ち」で描かれた山中での怪異話にはゾッと。やはり怪異はあるのだ?
「空飛ぶタイヤ」(池井戸潤/講談社文庫)4.5/5
「深紅」(野沢尚/講談社文庫)5/5 [吉川英治文学新人賞]
※今のところ池井戸作品は安心して読める(ワンパターン気味だけど)
現場と上層部の「事件は現場で起きてるんだ!」的(「踊る大捜査線」青島警部のセリフ)世界は、前出ノンフィクション「ノモンハンの夏」での参謀本部エリート集団の指揮による満蒙国境での悲劇に通ずるものあり。
ただ戦場では生き死に関わるわけで、最前線の将校達を自決に追い込みながらも戦犯容疑から逃げまわって生き残り、戦後代議士にまでなった参謀辻政信少佐の実像は?
今夜のオススメは何といっても、「深紅」
修学旅行中の小学6年生の少女のもとに「家族が事故に」という連絡が。
そして担任教師と共に深夜、タクシーで東京に向かうその第一章、車中での少女の不安感が読む側にもひしひしと伝わりページ繰る手が止まらず。それが場面転換した第2章までつづく。
読み終えるのが惜しくなり途中で他作品2〜3冊読んだほど。前半の緊迫感に比べて後半が弱いという評はその通りだけれども、前半の描写力だけででも文学賞受賞価値大いにあり。
「依存」(西澤保彦/幻冬舎文庫)?/5
「監禁」(ジェフリー・ディーヴァー/ハヤカワ文庫)?/5
「漂泊の牙」(熊谷達也/集英社文庫)?/5
「恐るべき空白」ホントに完